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仏教・神道・儒教集中講座 (徳間文庫)

井沢 元彦

徳間書店

グループ:Book

ランキング:26554

価格:¥ 580

発売日:2007-03

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封印された日本史

カスタマーレビュー

世界に類例を見ない日本宗教のユニークさを知る  (2008-10-29)
日本人は一般に「宗教(問題)にうとい」と言われる。それは外国の宗教に対してばかりではなく、我々日本人自身の底流にある宗教もしくは宗教的感覚・思考様式の存在についてもほとんど認識・自覚していない。これは、世界的には極めて稀有な状態なのだと、本書の著者である井沢元彦氏は言う。
では、なぜ我が国はそんな状態になっているのかと言えば、我が国では戦国時代末期の武将・織田信長によって徹底した[政教分離]が行なわれ、以後、実力を持って現実の政治に口出しする宗教団体の動きが封じられて、一般庶民が日常生活にあたって宗教に悩まされあるいは考慮する必要がなくなったためという。その意味では、今なお宗教による対立や抗争が続く世界から、400年も以前に日本を脱却させた織田信長は我が国最大級の恩人の一人である。
しかし、我々日本人が認識・自覚していなくても、我々日本人の根底には日本のユニークな宗教は厳然と存在するし、知らず知らずのうちにそれに規定されて生きている。本書は、そうして日本人のうちにある、我が国の根元的宗教とはどのようなものか? ということを、日本古来の神道、外来宗教である仏教・儒教の各々を順を追って体系的に、そして何よりもわかりやすく解説することを通じて明らかにするもので、これによって世界のいずれの地域とも異なる、日本人ないし日本社会の独自性を教えてくれる。
それによれば、我が日本社会における宗教の根幹をなすのは「和」と「穢(けが)れ」(忌避)、それに「言霊(ことだま)」に対する信仰(?)であり、これが日本人の発想や行動様式の根本を規定しているという。特に衝撃的だったのは、わが国における[反軍〜反戦]の傾向というものは、いわゆる進歩的・左翼的イデオロギーによるのではなく、「穢(けが)れ」(忌避)に基づく、軍人に対する差別的な伝統によるという貴重な指摘である。
我が国には、今日なお過去の[日本軍国主義][アジア諸国に対する侵略戦争]を口を極めて非難したり、[平和憲法の維持・擁護]や[日米安保体制の破棄]を声高に主張する反日勢力が根強く存在するが、彼らは自身が陶酔しているような進歩的・良心的(?)な存在なのではなく、単に日本宗教(日本教)の呪縛を自覚していない、もっともナイーブな種類の日本人であるに過ぎないというのは、極めてアイロニカルである。
とにかく、我々日本人は、日本人独自の信仰である日本教のユニークさを自覚していない。そこから、「日本の常識、世界の非常識」と言われるような言動の格差が生じる。今後、外交の分野でもビジネスの分野でも、不必要なトラブルや不利益に巻き込まれないためにも、本書の内容を頭に入れておく必要がある。極めて有益な著作である。

分かりやすい  (2008-05-28)
すごく分かりやすく書いてあり、最初に読むには最適かと思います。

ただ、多少、独断的な箇所もあるので、中村圭志「信じない人のための<宗教>講義」みすす書房、橋爪大二郎「世界がわかる宗教社会学」筑摩書房、小室直樹「日本人のための宗教原論」徳間書店のような本を合わせて読んだ方がいいと思います。

レビュアーの方の中に、秦檜や関帝(関羽)等に関する記述の例を上げ罵倒に近いレビューを寄せておられる方がいますが、ミスリードだと思います。
私もこの方のレビューを読んで買うことをためらったことがあるのであえて指摘させていただきます。

秦檜が、金との和平策を採り、主戦派の岳飛を謀殺したため、売国奴とののしられ、岳飛廟に、岳飛の前に後ろ手縛られる形の像を置かれ、いまだに観光客に叩かれたりつばを吐きかけたりされているのは事実です。
(つばをはきかけることは禁じられたようです。)
それと、秦檜の和平策を再評価する試みとは次元の異なる話だと思います。

関帝に関する記述は、儒教のところで出てるのではなく、神道のところで出てきます。
怨霊神を日本独特のものと説明した後、関帝が怨霊神であることに触れていて、但し、例外だと言っているだけです。
筆者は、一言も、関帝を、儒教の神だとは言っていません。

蛇足ながら、関羽は儒教でも五文昌の一人「文衡聖帝」とされて神格化されています。
清の頃には、県には、必ず孔子を祭る文廟と関帝を祀る武廟を建立することが義務けられています。

各宗教が持つコアな部分とは  (2008-05-09)
本書は、仏教、神道、儒教について、それぞれが持つコアな部分をわかりやすく解説した初学者向けの本です。
よってこの本に、仏教、神道、儒教の全てのディーテールが書かれているわけではありません。
それぞれの違いと、その違いが日本及び日本人に影響を与えた範囲について、大枠の部分を指し示しているだけです。
その意味では、それぞれのディーテールには、その道を専門に勉強した人から見たら足りないところ、誤っているところがあるでしょうが、本書の目的はそれ以前の、これら日本に影響を及ぼした宗教群の存在にすら気がついていない、現在の日本人に、「気づきを与える」ためのモノだろうと言う事です。
ですから、語り口も中学生もしくは高校生向けの平易なモノになっていて、だれでも2時間もあれば読み切れてしまう分量に収められています。

しかし、内容は軽視出来るものではなく、十分にコアな部分を解説している良書だと感じました。

宗教集中講座第2段。仏教・神道・儒教の中に観る日本人の宗教感の独自性と創意性  (2007-11-12)

  本書は、日本人が疎い自国の宗教感やその歴史を分かり易く解説してくれます。
神道は日本固有の宗教、一方、仏教と儒教は海外文化を取り入れ、日本風に改変
されているとし、一般的に知られていない史実を教えてくれます。特に、断片的にし
か知らなかった神道が日本人の思考の奥深くに根付いていることを知りました。例
えば、神道は、ヒトのみならずではなく川や木などでも、普通では見られない優れた
特性のものに神は宿り、さらに、邪な神(怨霊神他)や、元寇で日本に攻めてきて戦
死した敵兵でさえ、霊英として祭るのだと。後者は私にとっての驚きの新事実でした。
  姉妹書のユダヤ・キリスト・イスラム集中講座と合わせて、本書を読むと、各民族
の宗教感を通して、日本人の価値観を見つめ直すきっかけになると思います。

宗教の勉強のとっかかりとして  (2007-09-05)
 1時間半ぐらいで読むことができました。宗教についてあまり学ぶ機会のない人がとっかかりとして読むにはいい本だと思います。
 仏教の部では、「往生」と「成仏」の違いや、鎌倉仏教のそれぞれの特徴、信長の比叡山焼き討ちの意義など、初心者にとって興味深い話が紹介されています。
 神道の部では、怨霊神の代表は菅原道真(天神さま)であり、邪神が祭られるのは「なだめることによって穢れを取り除き、清らかな善神に変えていこうと考える」からという話が出てきます。また言霊信仰が論争下手を作り出していることや、聖徳太子が一番大切にした「和」という思想は神道の考えであることなどが紹介されています。いずれもまめ知識として使えますし、最後まで退屈しない講座となっている点でお勧めできます。

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