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「大恐慌」以後の世界 (光文社ペーパーバックス)

浜田和幸

光文社

グループ:Book

ランキング:321

価格:¥ 1,000

ポイント:10 pt

発売日:2008-11-21

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カスタマーレビュー

★今後の世界動向と日本の立場を考えさせられる一冊  (2008-12-29)
再生紙を使用した軽量な装丁に対して、内容的には極めて重量感のある一冊である。(皮肉ではなく称賛)最初は、週刊誌の記事を読むような気軽な感覚で読み始めたが、読み進めるうちに多くの事実に気付き、考えさせられることも随所にあった。(内容盛り沢山)
行き過ぎた市場原理主義の申し子ともいうべき金融工学を振りかざして、人間の金銭的な欲望の極みを追求したウォール街の投機関係者、それを結果的には側面から支援した日本の低金利政策、ロシアや中国の政治的な意図の強いニューパワーの台頭等、この世の中の事象は複雑に絡み合い、何が原因で何が結果であるかは一言では表現できない。そういうことを広く学ばせてくれる意味でも本書の意義は大きい。

そのようななかで、本文中でも指摘されているように日本に欠けている戦略として食糧とエネルギーの安定確保がある。世界各国がこれを最重要政策に掲げているのに対して、日本の脳天気さには危機感を感じざるを得ない。

一方、金融危機で世界全体が暗い雰囲気で覆われているなか、インドのミタル製鉄の若手後継者のアディチャ氏が言うように、世界にはこれから工業化社会に突入しようとする20億人を超える人口があり、新たなビジネスチャンスがあることも事実である。今回の金融危機の対症療法で各国が発行した大量の紙幣が、将来の大インフレを惹起し、加えて地球規模での異常気象や人口増加による大きな悲劇(戦争も含め)を引き起こさないように英知を注ぎながら、前述の人類的課題の解決(富の普遍化&不偏化)に世界が向かっていく必要があるだろう。

また、米国の会計検査院が事実上の破綻宣言をしたドルがこの先も国際基軸通貨であり続ける可能性は低い。米国が自国通貨のデフォルトを宣言する代わりにルールメーカとして、自らに都合のよい新通貨制度を創設しようとする動き(アメロ)は軍事的、政治的なパワーを背景に今後一層現実味を増してくるのではないか。困難な課題に長期間に渡って辛抱強く取り組むよりも、ダイナミックなアイデアにより過去を一掃できる荒治療を米国が選ぶ可能性が高いような気もする。一方で、世界には米国の意志に関わらず複数の通貨がブロック圏のように共存する政治的&経済的な環境も進展しているのも事実であろう。

従って、今後世界の通貨制度は相対化の時代を経た後、IT技術を駆使した従来のドルに代わる『新・世界共通通貨構想』(デジタル・バーチャルマネー)なるものが近未来に実現されるのではないか。(兌換制度、金本位制への復活は金の絶対供給量の制約からみて現実的ではないと感じる)本書のサブタイトルは『多極化かアメリカの復活か(The Next New Order)』であり、これは世界各国が保有する外貨としてのドルの価値防衛策や、後継通貨に対する各国の思惑が複雑に絡み合って進展するだろう。その荒波のなかで日本の国益と個人の資産を守るための知恵が今一番必要とされている。

これからの日本を考えるうえで必読の書  (2008-12-09)
あの9・11が起きて間もないときに、「アフガン暗黒回廊」その後加筆された上で「ブッシュの終わりなき世界戦争」に改題された著者の本を読んで以来、浜田氏のファンになった。既にその時点で、9・11がインサイドジョブであること及び中近東と中央アジアで石油獲得のための戦争を起こすことも言い当てた。今回、サブプライム・ローンに端を発した米国経済の破綻は、世界経済を1929年に発生した大恐慌以上の恐慌におとしいれることになるということを、筆者は圧倒的な筆致で説明をしていく。戦後の世界の経済を規定していた、ブレトンウッズ体制がやがて崩れて、新たな枠組みを必要となるであろうということがわかる。アメリカ国債とドルがこの恐慌の解決と借金返済のために大量に発行されている。アメリカはその膨大な借金返済のために、ドルを大幅に切り下げざるを得ない。あるいはドルがカナダと米国とメキシコ共通の通貨としての「アメロ」に切り替えられて、借金棒引きとされるかもしれない。そのような状況下で、日本は「アメリカとの関係をゼロから再構築できる」チャンスであり、その国家戦略を再構築すべきであることも説かれている。まことに、示唆に富む書物だと思う。

思考停止になる  (2008-12-04)
大げさかもしれないが、ジョージ・ソロスですら、
予見していてもはっきり断言するのをためらうような内容を
大胆に告げているのではと思いながら読んだ。

最悪なシナリオも告げているので、どういう反応をしたらいいのやら、
もう思考停止状態となる章もあった。

経済には詳しくないので、
ドルがいかように世界を巡るのかという仕組みはわかりやすかった。
しかし、日本は税金をせっせとアメリカに渡し、それでアメリカは潤いバブルが膨れ上がったとは。
「対岸の火事とは言っていられない、
というレベルで、金融危機をみてはならない。
世界はつながっているのだから」
と諭された。

今後、わが国はかつてない不況に見舞われるとともに、
食糧とエネルギー不足にも陥る可能性が高いことも懸念されている。
今ですら不況で、また就職氷河期に入ろうとしている。
派遣社員の大量リストラもなされ、正社員のリストラもはじまっている。
うーん、もっと酷くなるなんて想像できない。

また、次のことも熱筆されている。

1.どんなシナリオが予見できるか
2.現在そのシナリオのどの段階にあるか
3.段階ごとに何が起こり得るか

中国、ロシア、インドの動向や狙いも見た結果、予見したことも書かれ、
「第3次世界対戦」なんてコトバがとうとう出てきてしまった。
できることならハズれてほしい。

福田前首相が政権を放り出した理由も考察されており目にウロコとなる。
全体的に衝撃的すぎた。

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