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フロスト気質 下 (創元推理文庫 M ウ)

R.D. Wingfield
芹澤 恵

東京創元社

グループ:Book

ランキング:1478

価格:¥ 1,155

発売日:2008-07

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カスタマーレビュー

今や理想の上司か  (2009-01-03)
前作の翻訳からずいぶん時間が経ってしまったが、フロストという人の”いいかげんさ”はかなりまともになった気がする。場当たり的な捜査は、相変わらずだが、いつもの”刑事の勘”は、真相からは当たらずも遠からずというところ。部下に対する心づかいも微に入り細を穿つ印象を受ける。

パワハラ、セクハラ(セクハラは本作でも健在だが)あたりまえ。見当違いの捜査から、真相がひょこり といったこれまでのこれまでのフロストシリーズとはずいぶん違うんだなぁ。

今や理想の上司の風格もあり・・・

せっぱつまった感、ハラハラドキドキ感は、これまでよりパワーアップしてるんで、楽しめることは間違いないけれど、シリーズをとおしてみると何か物足りないのも否めない。

一気呵成  (2008-09-11)
下巻は息もつかせぬ勢いで、一気に読み終わることが出来た。めくるめく展開でどんどん話が収斂していく過程は、見事の一言でした。
あと2作品しか残っていないとなると速く読みたいという気持ちとじっくり止まっていたいという気持ちが入り交じってしまう。
英吉利らしいジョークに満ちあふれた作品があと二つというのは非常に残念だ。

値段高すぎ。でも面白いからしょうがない。  (2008-08-03)
1995年に発表された「Hard Frost」の翻訳版。
 
内容は素晴らしかった。

フロストシリーズの翻訳版は出るたびに読んでいるけれど、たぶんその中でも最もキツイ局面がフロストに次々と襲いかかる。原題の「HARD」っていうのがぴったり。

でも邦題の「フロスト気質」っていうのも、うまくつけたよなぁ、と思う。
フロストの場合目的意識が非常に明確で、それ以外のことはどうでもいい、っていうところがこの作品では明確に描かれているからだ。
なるほど、これが「フロスト気質」か、と妙に納得がいってしまった。

作者のR.D.ウィングフィールドはすでにお亡くなりになってしまったそうだが、翻訳されていないフロストシリーズの長編が、あと2作のこっている。

その2作、できれば京極夏彦の文庫みたいにやたらと分厚くなってもいいから1冊にまとめて出してもらいたい。

フロスト警部とモース警部  (2008-08-02)
ウィングフィールド様、ありがとう。昨年7月に79歳で亡くなったあなたは今は天国ですか。遠く離れた日本で、あなたが1995年に英国で刊行した「Haed Frost」をいま、翻訳で読み終わりました。上下合わせて900nという厚さですが、読み終わったあとは、ああ、終わってもったいない。上・中・下の3巻でもいいという気持ち。創元社さん、早く第5巻「Winter Frost」(1999年)を翻訳してください。
 ところで、なぜ、フロスト警部シリーズは面白いんでしょう。第3巻の解説で、推理作家の霞流一氏は、フロスト警部は「メグレ×ドーヴァー」だと書いています。確かに、足をまめに捜査する真面目なメグレ刑事と、おばかで下品なドーヴァー刑事をかけた形ですね。ただ、霞さんも指摘しているように、同じ英国作家コリン・デクスターのモース警部とも似ているところがあると思う。
デクスターはクロスワードパズルの作り手でもあり、彼のミステリーは、推理の「迷彩」が施されている。モース警部が推理を展開するが、その多くは空振りで、失敗しながら真相にせまる。それが、クロスワードパズルの罠のよぬになっていて、主人公の刑事がこう推理するんだから正しいだろうと思うと、裏切られるという、読者を惑わす迷彩になっているのだ。そして、この迷彩は、実は、この事件、こう考えれば、こんな犯人像もあるんだという、複数の回答を提示していることにもなる。ちょうど「毒入りチョコレート事件」のように。
そのモース警部の推理を、フロスト警部は、がむしゃらな足を使った捜査、ひらめき捜査で行う。読者はフロストとともに、現場に行き、容疑者に職務質問をし、ああ、こういうわけかと推理するが、それが何度か裏切られ…という過程を通して、フロストと同時並行的に推理を楽しむのだ。その同時進行、複数推理を複数事件で行う(そういろんな事件が併発するのもフロストシリーズの特徴)それがフロストシリーズの大きな魅力ではないか。
(もちろん、お下劣だが、心はやさしい、一生懸命なフロスト警部のキャラクターの魅力も絶大だが)
この作品は、きっと年末のこのミスなどで、海外ミステリーのベスト3以内には入るんでは。

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