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政治の季節の代弁者として
(2005-12-25)
昭和35年作品。大島渚監督。
過激なまでの長廻しが、まるで舞台劇を見ているかのような
錯覚を呼び起こす。過剰なまでにアジる出演者の熱気は、まさ
に六十年安保闘争をリアルタイムに見た時代をフィルムに刻み
つけた。
コミンテルンの指示、米帝国主義粉砕、真の独立を掲げた運
動は、幾多の犠牲者を生み、やがて平和運動へと形を変えて収
斂していく。その過程でおこった男女の情愛と嫉妬。内部紛争
と権力闘争。
大きな理想を掲げた運動は、やがてそれらの要員が爆発し、
大きな悲劇を生み、その箱庭のなかで自己暴発し瓦解する。
残ったのは都合よく美化された記憶と、封印した自己責任で
あった。
そのような偽りの時代が、時を経て、党員の結婚式という晴
れの舞台で白日の下にさらされる。紡ぎ合わされる記憶の断片
から浮かび上がる真実は、やがて秘められた男女の関係を暴き、
かつての仲間達は互いを糾弾する。
そこに紛れ込んだ現役学生の闘士は、そんな内輪もめをする
旧世代をまとめて糾弾し否定する。君たちは卑怯者だと。
戦後日本の思春期に青年となった者達の過激な熱量が、やが
て未熟さゆえに自家撞着を起こし瓦解していくさまを若き大島
監督は油絵のようなこってりした映像で描ききった。
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