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溢れ出る瑞々しさ
(2008-10-21)
場面のいたる処にキラキラと散りばめられた光のかけらが、時に輝きを引き立たせ、時には闇を色濃く照らし出す。 その中で移りゆく季節や、様々な人々が息づく様を美しい音楽にのせて、瑞々しいまでに描き出している。 すべてが淡々と描かれている筈なのに、強烈に心が揺さぶられ、何度でも観たいという気持ちにさせられる。少ない台詞、抑えられた演技、それ故に観ている者自身の想像力を刺激する。 主演の中尾幸世さんの憂いを秘めた瞳がとても印象的で忘れられなくなる作品。
こころのなかのゆらめきを
(2007-12-23)
人並み以上に映画は観てきた。どちらかというとタルコフスキーやエリセが好きである。たとえば、野を吹く風と、ひとり歩く人と、その言葉にできない思いを、そっと映像にのせる。日本の文化は本来そういうたくみを持っていたはずだが、ヨーロッパの作家が試みた映像に並ぶ映画作品は今の日本には見当たらない。この作品はテレビドラマである。それゆえ知る人も少ない。私は二十年前、当時はNHKで販売していたこのビデオを買った。それから何度見たことだろう。国際的に共感を得るであろう、その一方で日本の風土からしか現れない叙情を感じる映像と物語が、広く長く知られることを望む。

